少しだけの『不満』を置き残して
私は無言で家を出た。
嫁さんが足の怪我で、手術、入院。
やっと退院できたけど、松葉杖生活。
洗濯
朝晩の食事
お弁当
犬の散歩
ゴミ出し
その他諸々…
その間を父と子たちは、家事を分担し乗り切った。
PCでの仕事を家で行う私には、その「分担」は当然多めにあった。
自分としては、それで全く問題なかったし、それなりにこなしていたように思う。
ただ、それだけに
「頑張ってる…」
という自負も少し出て来ていた。
その日は、夕飯の用意されている事を少しだけ期待して仕事から帰宅。
息子と嫁さんはリビングにいたが、夕食へ向かう2人の気配は全くなし。
むしろ
「オトウサンキョウモユウハンヨロシク」
という雰囲気を感じる……
あ~
分かってはいたけど
なんか腹立つ…
なんか腹立つ…
なんか腹立つ~~~~~~
そんな少しの「不満」を
あまり気づかれないように家に置き残して
夕飯の材料を買う為に私は無言で家を出た。
『もう今日の食材調達はコンビニで済ませる……』
そんな事を思いながら
家から一番近いコンビニへ車を走らせる。
コンビニの駐車場についたところで
息子から一通のLINEが届く。
「牛乳とマヨネーズ買ってきて…」
「牛乳とマヨネーズ買ってきて…」
「牛乳とマヨネーズ買ってきて…」